去年見た夢
海沿いの塔に祖父と二人で住んでいた。祖父とはとても仲良しで、他愛もない話をしては笑いあうのが常だった。
塔の真下には「嘆きの入り江」という小さな入り江があった。その呼び名の由来については、祖父に聞いても答えてくれなかった。
ある日、学校から帰ると、祖父が昔話を始めた。掴みどころのない話だったが、思わず聞き入ってしまい、気がつくと自分は塔の最上階にいて、ベランダに続く窓からは夕陽が射し込んでいた。
夕陽の眩しさに目を凝らしながら外を見ると、ベランダの目の前に「嘆きの入り江」が、斜めに迫って見えた。
祖父はそのままベランダからゆっくりと入り江に降り立った。そして、振り返った祖父の姿は、20歳ぐらいの青年に変わっていた。
入り江にいた何人かの人達も集まってきて、皆が僕に向かって「こっちへおいで」と手を降っている。
怖くなって祖父に「ここは?」と聞いたら、祖父は「ここは『人間の皿』だよ」とだけ答えた。
そこで目が覚めた。
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