夢の中のお話 8話目
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7話目 メタモルフォージ
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6話目 モンスターパーティ!!
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5話目 極寒の島グラキエース
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4話目 ある冒険者ギルドの一日
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3話目 過去は未来が作るモノ
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2話目 休み前の大冒険
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1話目 不釣り合いな盗賊団
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カクヨムとなろうにこれまでのまとめ投稿しています。
カクヨム
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なろう
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うちの子紹介
レイナ
22歳で冒険者歴10年という、筋金入りの冒険者。
17歳の時に、両親を中心とする黒きモノ討伐隊に参加、そこで戦果を挙げたため、英雄と呼ばれるようになる。
本人としては、その程度の戦果で英雄と呼ばれるのには抵抗があったが、その時に倒した黒きモノの内、7%をレイナが仕留めている以上立派な英雄である。
なお、その時に最大の戦果を挙げたのは14%でレイナの父親である。
最大の特徴として、髪の色と瞳の色が約1か月周期で赤→黒→赤と変わる。
先行して瞳の色が変わるため、髪と瞳の色が違う事がよくある。
髪が赤い時は魔力減衰期で、魔法力が極端に下がる。
髪が黒い時は魔力充足期で、この時には自分で魔法を作って発動させる事が出来る。
体格は普通の女性と同じぐらいで、きれいな服を着ればきれいに見えるし、化粧もそれなりに出来る。
でも、きれいな服よりも機能性の高い服を好む上、自分で選んだ服のセンスが残念なため、大体いつも同じような服を着ている。
ただし、黒い防風マントは常にカバンの中に入っている。思い出の品。
ちょっと続く・・・
うちの子旅館 再掲
こちらは、うちの子旅館です。
どなたでも、誰とでも、何人でもご利用になれます。
どのような御部屋もご用意できております。
どのような御食事もご用意いたします。
料金は、お支払いいただける額で結構です。
お支払いは、どの世界のどんな通貨でもご利用いただけます。
当旅館で起こった事は、お客様ご自身のお話には何ら影響を与えません。
当旅館の敷地内から表に出た時点で、ここでの記憶は封印されます。
再度足をお運び頂いた場合は、その記憶の封印は解かれます。
ここで、いくら怪我をしても、たとえ死んだとしても、即時回復します。
ただし、力比べなどのオプションを付けていただければ、回復のタイミングを即時から致命傷を負うまで等に変更出来ます。
その他、話に困っても都合のいい展開が起こり、話がまとまりますので、お気軽にお越しください。
それでは、皆様のお越しをお待ちしております。
こんな、夢のような遊び場があったら、皆色々書けるかな?
夢落ちでも、通常と違う性格でも、他のうちの子でもなんでもござれ。だってうちの子旅館だしで終われる強み。
何か好評だから残すために再掲。
夢の中のお話 2月6日
レイナが準備していたのは、厚い透明な氷の壁だ。それを部屋の出入り口に張り付けている。
そして、レイナの放った炎は部屋の中央に浮かんでいる。
その直後、炎が一気に小さくなる。心持ちスライムが中央に引き寄せられ、レイナの作った氷の壁すら少し音をたてて内側に動く。
「これで終わり!」
レイナがそう叫ぶと、炎が爆発的に部屋中に広がる。
その威力は、ドスンという大きな音と思わずよろめくほどの振動が物語る。
透明だった氷の壁が、白く濁っている。どうやら、氷の壁は役目をしっかり果たしたようだ。
部屋の中は見えないが、あの爆発の中を生き残れる生物はここに存在はしないだろう。
「炎と、圧縮と、衝撃か。レイナ、ここを壊す気だったのか?」
ヴァーニスが呆れた声でレイナの放った魔法の内容を分析する。
「ちゃんと壊れない程度に力を調整してるわよ。それに、しっかりと壁はコーティングされてるのは判ってたから。」
レイナがいい笑顔をヴァーニスに見せる。
#novel #小説
夢の中のお話 2月5日
そう言いながら、ヴァーニスは周囲の壁に魔法をかける。
その魔法効果を理解したレイナが、ヴァーニスに片手をあげて合図する。
「下がっててね。」
レイナがそう言いながら、ホルダーに納めていたロッドを取り出し、目の前で構える。
そのまま、スライムの様子を観察する。攻撃範囲に来ないと、攻撃はしてこないようだが、攻撃自体が即死級の威力という事だろう。
「さあ、行くわよ。」
レイナが、ロッドを振りかざし、小さな炎を作り、それをスライムの中央に頬り投げる。
その炎をスライムが感知し、四方から液体を飛ばす。
「まあ、そうするわよね。」
ニヤリと笑って見せるレイナ。その行動は予想通りと言ったところだが、その先の手をレイナはすでに発動していた。
「さあ、やっぱりスライムは燃やし尽くすのが一番よね。」
レイナが放った炎は、スライムの液体を全て蒸発させる。
「スライムの気体はお断りよ。」
#novel #小説
夢の中のお話 2月4日
「でも、階層のボスぐらいは狩りたいわね。」
「邪魔だったらだな。」
そう話しながら、10層の最深部へたどり着く。そこは、すり鉢状の地形になっていて、大小さまざまなスライムがひしめいていた。
そのスライム群の奥に、11層に続くであろう横穴が見える。
「うわ・・・これは邪魔ね。」
どんなスライムなのかはわからないが、これだけ集まっていると、人体に悪影響が起こる何かが発生している可能性が高い。
「処理が必要か。」
そう言いながら、ヴァーニスは地面に落ちている小石をスライムのひしめく部屋の中央に投げ込む。
その小石は、落ちる前にスライムからの集中攻撃を受け、そのまま細かい砂になり部屋の中に降り注ぐ。
「これはダメだな。」
ヴァーニスがレイナを見る。そこには目をキラキラとさせた戦闘狂の姿があった。
「私の出番になるかしら?」
「そうだな、任せるよ。くれぐれもダンジョンを壊さないようにね。」
#novel #小説
夢の中のお話 2月3日
10層にたどり着いた2人は、早速踏破のための行動に移る。
まず、自身に出来るだけの強化を付与し、その後、隠密魔法を使用し、完全に気配を消す。
「5層まで駆け抜けた時と同じね。」
「強化を追加しただけだな。」
指輪を通じて、意思疎通を行う2人。
既に互いの姿は見えないので、こうしてやり取りするしかない。
「地図は覚えてるな?」
「バッチリよ。」
「よし。」
確認の後、2人は急いで11層へと続く道へと向かう。
その途中、巨大な水生生物や、四足歩行のドラゴン等が姿を現したが、2人の姿を見破る事は出来なかった。
何匹か狩ることも考えたが、一匹に手を出すと、収拾がつかなくなりそうな気配もあり、今日は見送る事にした。
「今は時間が無いけど、今じゃなければいっぱい時間は取れるしね。」
「そう言う事だな。」
2人の意見が一致する。確かに、今の2人の目標は最深部到達だ。素材狩りではない。
#novel #小説
夢の中のお話 2月2日
その結果をレイナに伝えるが、レイナは納得していないようだ。
「地上の森にも、この木はあるの?」
「ああ、あるはずだ。流石に場所までは判らないけど。」
もう一度エルフツリーに近づき、手を触れる。
しかし、その瞬間にヴァーニスは手を離した。
その後、手をプラプラと振りながら、レイナに答える。
「・・・レイナ。先を急ごう。」
何かに気付いたヴァーニスは、レイナにそう提案する。
「ヴァーニス、何かあったの?」
ヴァーニスの急な変化が気になり、レイナが問いかける。
「かなりの反発力がある、このエルフツリーはかなり若いな。」
「どうしたの?若いと何か問題が?」
「エルフツリーは、その森の最初と言われている。それが若いという事は・・・。」
ヴァーニスの言葉にレイナがハッとする。
「それじゃあ、ここは・・・。」
「その謎の答えも、下層にある・・・多分。」
ヴァーニスとレイナは、互いに顔を見合わせて、10層への入口に向かった。
#novel #小説
夢の中のお話 2月1日
「あの2人なら、すぐにでも12層へとたどり着くでしょう。」
「そう願いたいわ。さて、2人が居なくなる前に、色々と補充しておかないと。」
「準備は出来ております。」
「流石ね。」
そう言いながら、2人は倉庫を後にした。
ヴァーニスとレイナは、9層のレイナのテントの中に現れる。
テントの外を確認するが、外に蟻人族の姿はない。
「さあ、行くか。」
「ええ、もたもたしてる暇はないもんね。」
2人が外に出て、10層へ続く道がある山へと向かう。
その道中の森の中で、レイナが地上との微妙な違いに気付く。
「ヴァーニス、ちょっと気になったんだけど・・・あれ見てくれる?」
レイナが指さしたのは、一本の木だ。
「あの木がどうかしたか?」
「珍しい木だと思って。あんな木、見たことある?」
木に近づくヴァーニスだが、レイナの指さす木に異常は見受けられない。
さらに言うと、これはどこの森にもあるエルフツリーだ。
#novel #小説
夢の中のお話 1月31日
「それじゃあ、そっちは自分の仕事しろよ。」
少し残念そうなさんごを横目に、ヴァーニスが少し後ろを振り向き、その後ろに立つ者に告げる。
「ロギアさんだっけ、さんごに対しては危害は加えないから、そろそろ刺すような殺気はしまってくれないか。」
さんごはその言葉にハッとしてロギアを見る。
ロギアの視線はヴァーニスを射抜いているが、ヴァーニスはまったく気にしていない。
「ロギア。」
さんごの一言で、ロギアは一歩下がり頭を下げる。
「ヴァーニス様、試すような事をして申し訳ありません。」
「判ってる。執事としては、気になるだろう。しかし・・・ロギアさん、かなりの手練れですね。」
ロギアが首を横に振りながらヴァーニスを見る。その表情は柔らかく、先ほどまでの殺気は嘘のように消えている。
「ロギア、さんごをよろしくな。」
「ああ、また明日な。」
そう言って、ヴァーニスとレイナはポータルに飛び込む。
#novel #小説
夢の中のお話 1月30日
「そうですか。それでは、依頼の変更を・・・。」
「商人が、そう何度も依頼の変更をするのはよくないんじゃないか?」
「そうですね。本来なら許される事ではないでしょう。」
そう言いながら、さんごは契約書を見せる。
「希望する報酬を提示すれば、契約内容を変更できる。そう書いてますよね。」
確かに、契約書にはしっかりと書かれている。そうなると、言い逃れは出来ない。そう思ったレイナだが、ヴァーニスはおもむろに口を開く。
「なら、先に言っておこう。どんな報酬でも俺たちは首を縦に振らない。おとなしくしていてくれ。」
「どうしてもですか。」
「ああ。言い方が悪いが、こういう時に護衛しなきゃならないものが増えたら邪魔なんだ。」
「そうですか。」
ポーラルレベルの冒険者であれば、ヴァーニスは拒む事は無かっただろうが、戦闘は素人のさんごだ。着いて来てもろくなことにならないのは目に見えている。
#novel #小説
夢の中のお話 1月29日
「それじゃあ、行きましょうか。」
レイナがヴァーニスにポータルを開くように促す。
しかし、言われる前にすでにヴァーニスは人が1人通れるぐらいの空間を開いていた。
「さて、行くか。」
「そうしましょう。」
思わぬ方面から声が聞こえ、2人が一斉に振り向く。
「さんご?」
「あら、雇い主が付いて行くのは不思議ではありませんよね。」
そう言って、倉庫に入ろうとするさんごに、ヴァーニスは手のひらを向ける。
それを見て、さんごは首をかしげる。
「どうされました?ヴァーニスさん。」
「さんご、これすらよけれないなら、10層に来てもすぐに死ぬ。」
さんごの服に、肩から腰に掛けてシミが出来ている。
どうやら、ヴァーニスが水の魔法でその部分だけを濡らしたようだ。
だが、さんごは引かない。
「護衛があなた達の仕事ですよね。」
「確かに、今の仕事は、さんごの仕事の護衛だ。俺たちのプライベート・・・本来の俺達の目的をこなす分には、護衛する事は無い。」
#novel #小説
夢の中のお話 1月28日
一礼して、後ろに一歩下がるロギア。その側に先に通路に出ていたレイナが2人に近づく。
「ヴァーニス、まだ時間に余裕があるわ。この後はどうするの?」
「ああ、今日中に偽りの最下層に行ってみるか。」
いくら昼を少し過ぎたぐらいとはいえ、明日も朝からさんごの護衛がある。それを考えると、残された時間は6時間もないだろう。
「まあ、ポーラルの見せてくれたこの洞窟のリストによると、そこまで警戒する敵も居ないし、欲しい素材もそこまで無いだろ?」
「そうね。それじゃあ、駆け抜けて最下層を調査するって事でいいかしら?」
「そうしよう。」
話がまとまったところで、横に居たさんごに今後の事を説明する。
「こちらとしては、今日の仕事は終わっていますのでこれ以降は自由時間ですね。」
今の雇い主からの許可が出た2人は、頷いてポータルのある倉庫に戻る。
倉庫のポータルはすでに閉じていて、周囲はいつもの様子に戻っていた。
#novel #小説
夢の中のお話 1月27日
レイナの答えに、違和感を感じたさんごが疑問を問いかける。
「ヴァーニスさんが作るポータルだと、気付かれないんですか?」
「小さいからね。」
簡潔で、誰しもが納得する答えが返ってきた。それには、納得するしかないさんごは、笑顔でレイナに答えた。
「なるほど、判りました。商人では流石に判りませんね。」
「そう言う事、こういうのは本職に任せなさい。」
さんごの肩をポンと叩き、レイナは一足先に倉庫から出る。
その後ろ姿を見つめているさんごに、ヴァーニスも声をかける。
「まあ、今は商人であるさんごの出番だ。明日もよろしく頼むぞ。」
「こちらこそ。よろしくお願いします。」
そう言いつつ、2人は倉庫を後にする。
倉庫を出た3人を待っていたのは、銀髪の鮮やかな初老の執事だ。
「さんご様、ご依頼の荷物は全て倉庫に運んでおります。」
「ご苦労様です、ロギア。その荷物は全てこの倉庫へ運んでおいてください。」
「はい、かしこまりました。」
#novel #小説
夢の中のお話 1月26日
「あの・・・、もしかしてこれが9層の謎の答えですか?」
「それは、あの層を作った本人じゃないとわからない。」
ヴァーニスがそう言いながら甲板に踏み出す。
それについていくように、レイナとさんごが甲板に足を踏み入れる。
今までのポータルと違い、潜り抜けるという感覚ではなく、ただ歩いているだけで別の場所にたどり着いた感じだ。
「9層は、これを応用しているのでしょうか・・・。」
さんごが、そう呟きながらおもむろに先ほどまで自分が居た場所を見る。
そこは、小屋の内部が広がっていて、そこに足を踏み入れれば、さっきまで居た小屋に戻るのだろう。
「入り口に専用のポータルを置いておけば、あの空間を再現できますね・・・。」
小声でつぶやいたさんごの声を、レイナは聞き逃さなかった。
「理論的には、可能だと思うわ。膨大な魔力と、それに耐えうるポータルがあればの話だけど。」
「無いのですか?」
「そんなポータルがあれば、9層に来た冒険者ならすぐに気付くわ。」
#novel #小説
夢の中のお話 1月25日
「それはそうだけど、さんごのお店は小さくないでしょ?」
「それでも、今の従業員数を考えれば、自分が動くのも当然でしょう。」
さんごが乗っている今の船の乗務員は、さんごとクラッドとポーラルの他には20人にも満たない。
「さて、そろそろ戻りましょう。」
「分かった。動作確認も兼ねるから、大きくポータルを開くぞ。」
そう言って、ヴァーニスがポータルを開く。今までは人が1人通れるくらいの大きさだったが、今回は小屋全体がポータルに変化する。
今までとは違う空間に、さんごが驚いている。
「ここは・・・?」
「空間を捻じ曲げたんだ。」
杭の中央から見える景色は、見覚えのある倉庫だ。
「あの小屋全部を、ワープポータルにしたのね。」
「そうだ。まあ、実験としてだからな。」
実験とは言え、空間を捻じ曲げる事を実演して見せたヴァーニス。
2人の会話を聞いていたさんごが、何かに気付いた様で2人の方を振り向く。
#novel #小説
夢の中のお話 1月24日
「この事に気付いているのは、ごく少数だろう。それに、気が付いたとしても、規模が大きすぎていち冒険者では何もできない。」
「まあ、ここまで来れる冒険者が、今更起業しても面倒なだけだからね。老後に備えてなんて準備してたら、自由に動けなくなるだけですもの。」
ヴァーニスとレイナの冒険者らしい答えに、さんごが思わず笑う。
「わかりました。では、1つだけお願いがあります。報酬を上乗せする代わりに、あなたの考えが確実なものになったら、教えてくださいね。」
「ああ、その程度なら引き受けよう。」
さんごの依頼を快く受けるヴァーニス。
「ところで、商品もなくなっちゃったし、もう帰るのかしら?」
「そうですね。7層の2人は、まだ仕事をするでしょうし、私は船に戻って在庫管理をしましょう。」
「商会長自らが、その辺りをしなきゃならないって、大変よね。」
「そうでもないですよ。小さい商会であれば、店主がすべてをこなすのが当たり前ですから。」
#novel #小説
夢の中のお話 1月23日
「一体、地上に何があるというのですか?」
さんごの問いかけに、ヴァーニスは少しの沈黙の後、口を開く。
「本当の深層だ。俺たちも、これから確認に行くが、恐らくは間違いないだろうな。」
「深層って、ここの12層ですよね?それが、本当ではないという事ですか?」
「ああ、そうだ。」
「それが、前に言っていた、ギルドがここを未開の地と指定している理由という事かしら?」
ヴァーニスが無言で頷く。そして、地上の地図を取り出し、カウンターに置く。
「全てが一致しているわけではないが、ここで聞いた『鉱石が掘れる場所』には、同じものが埋まっている可能性が高い。どの深さに埋まっているかまでは保証できないがな。」
「なら、いろんな国が欲しがっている黒い油も、埋まっているって事?」
「その可能性が高いって事だ。ここまで言えば、後はさんごの仕事だってわかるだろ。」
その話を聞いて、さんごの目が輝いている。これで、コラッリウム商会が復活する希望が見えたからだ。
#novel #小説
夢の中のお話 1月22日
「謎も、目星がついているのですか?」
「ああ。蟻人族の言う神というのも、予想は付いている。」
「やっぱり。」
さんごが、残念そうに笑顔を見せる。
「その予想通りだったらという前提で、さんごに伝えておくが・・・。」
声のトーンが変わったヴァーニスに、さんごの表情も真剣なものになる。
「地上に、ここ以上の拠点を作るんだ。」
「それは・・・どうしてですか?」
「ここが、地上との類似点が多すぎるというのが理由だな。」
「そんな不確かな理由ですか。」
さんごもここに来ていた時から感じていたことだが、そんな誰にでも想像ができる事が理由と言われても不信感しか浮かばない。
「まあ、信用してもらえなくても仕方ないが。商機として備えておくのが商人じゃないのか?」
「それもそうですが。」
今のコラッリウム商会は、少数精鋭となっている。7層の設営と並行して、地上の商機に手を回せないのが本音だろう。
#novel #小説
夢の中のお話 1月21日
鍵を受け取ったヴァーニスは魔石に鍵を触れさせる。すると、鍵が一瞬光を帯びる。
「これでいい。魔力の制限は解除していないから、ここに来るときは十分に注意するんだぞ。」
「一度来たら、8時間は開けないという事ですね。」
「そうだ。ここに来ている蟻人族は話せばわかるとは思うんだが・・・。」
ヴァーニスが不安視しているのは、新しい物を良しとしない者達が来た時だ。
「護衛の契約は明日で終わりだ。それ以降は自分で何とかしなければならない。」
「それなのですが、もしよければ、新しい依頼をお願いしたいのです。」
「言いたいことは判ってる。さんごの仕事が軌道に乗るまで俺たちを雇いたいって言う事だろう?」
さんごがこくりと頷くが、ヴァーニスは首を横に振る。
「俺達も、用事があるからな。」
「そう言えば、お土産とか探してましたね。」
「ああ、蟻人族のおかげで、そっちは何とかなりそうだ。後は、この洞窟の謎を解くだけだ。」
#novel #小説
せっかく創作系の場所にいるんだから、何か作りたいと思う今日この頃。
でも、絵は無理だのぜ。
カクヨムでここのお話をまとめてみました。
https://kakuyomu.jp/users/vernys
なろうでもここのお話まとめてみました。
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