pixivに投稿しました 楽園の君 #pixiv https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10410939
きょうは感謝祭の日なので何か書きたかったんですけど、まったく間に合わなかったです。
去年書いた感謝祭のお話→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10092690#12
これもっと正確に言うと、レオナルドは最初から自分の事が嫌いだったわけでも自己評価が低いわけでもなかったけど、リガ=エル=メヌヒュトに義眼を与えられた瞬間に自己評価値が一気に下がっただけで、元々は両親に大事に育てられたし利発な妹とも仲が良く、人生にそこそこ満足していたのである。
スティーブンと時間を過ごすようになってからまたその頃の自分の評価が戻ってきたと言った方が正しかったかもしれない。
レオナルドの指が好きだ。たくさんのバイトを掛け持ちし、しかも肉体労働ばかりを選んでいるようで、その指先はいつも荒れている。切り傷や痣が出来ている事も多いし、この間なんて小指の爪が根元から欠けていた。機械に引っ掛けてしまったらしく、当然だが血が滲み包帯でぐるぐるに巻かれていた。ささくれが出来てない日はないし、冬場なんてあかぎれを起こしている事も間々ある。
でも、彼の労働を重ねてきた節くれだった指が、スティーブンは好きだった。彼の指先がスティーブンの肌に触れようとする直前、いつも自分の手のひらをじっと確認してから触れていることを知っている。爪が欠けたり、捲れた皮でスティーブンを傷つけやしないかと、それを確認しているのだ。きっとバスルームで何度も確認してきたのだろうに、それでも確認する。愛されてるなって、思うだろ。
壁打ち用なので通知は見ないよー