tanka @tanka@pawoo.net

スープまで飲み干し思う破滅から地球を救い胴上げされたい

コクとキレ知らないものを知っているみたいに半ばまで来てしまう

並盛りと言ってもかなりの量がくる非常識を受け入れてわれらは

「サイコロをもう一度振り出た数を戻れ」もどれば「一回休み」

力の限りがんばりますと言わされて自分の胸を破り捨てたい

黒髪を生やす力のおとろえた頭を下げて求めたゆるし

黒髪を生やす力のおとろえた頭を下げて求めたゆるし

左肩にかけてたカバンを右肩にかけてパラレルワールドみたい

ボケというひどい名前の植物の背丈がオレとそうかわらない

てのひらで暴力団を止めようとしてる女はポスターの中

キスをする距離のふたりがオレのいるあいだはせずにいてくれていた

レッカーに引かれる車の後輪の回転を見る出勤の道

「おさまってない」

ポケットにもぐって暖をとっていた両手おのずと出てくる春は

メニューとはちがう気がする春野菜パスタ見比べあきらめがつく

見本より色あせているパスタだが味はおおむね差し支えない

この人にも家族があるんだろうなあと想像させる顔の店員

無着色ながら真っ赤なケチャップをつけてポテトを無意識に食う

耐えているみたいな顔の男から目をそらす、また見る、耐えている

支払いを終えたら外の強風がおさまって、いや、おさまってない

均等な間隔をおいて植えられた黄色や赤に将来はある

若者の味方だという顔がもうしんどくなって背中が痛い

見通しのよい地点から沈む陽を見ていたずっとこうしたかった

支払いを終えたら外の強風がおさまって、いや、おさまってない

耐えているみたいな顔の男から目をそらす、また見る、耐えている

第8回 中城ふみ子賞次席作品「校舎・飛び降り」50首 t.co/cuoDstwFG3
横書きのものをnoteの無料記事で出しておきます。

見本とはちがう気がする春野菜パスタ見比べあきらめがつく

いいですよ隣の車輌にもうひとりオレがいたってかまいませんよ #

仰向けにさせてみたってリラックスできないようだ我が家の猫は

ありえない、ありうるなどと言い合っていると一面ゆうがたになる