望月 栞莉 @shio_lia

一カラ【ただ隣で寄り添い続けたい】
▽ 望んだ結末が訪れなくても、それでも、ずっと……。

一松の恋人は実の兄だった。
まだまだ受け入れられない同性の恋愛に、血の繋がった兄弟が相手の近親相姦。決して誰にも言えない関係だが、それでも二人は幸せなはずだった。
そんな幸せに綻びが見え始めたのは、兄弟の一言。

「……でもさ、これが現実だったらドン引きだよね」

自分達の関係は間違いだったのかもしれない。そう悩み始める一松は、デカパン博士の元を訪れる。

「……過去をやり直す薬、ない?」

カラ松と恋人になった現実を消してしまえば良い。
そうしたら、恋人を得て、結婚して、子どもを産んで……そんなありふれた幸せを彼が手に入れることが出来るのなら。

「過去をやり直す薬はないダス。だけど、過去を繰り返す薬ならあるダスよ」

現在が変わってしまうために、過去をやり直すことは出来ない。けれど、過去を繰り返すことは出来る。もしかしたら、未来を変えるヒントが得られるかもしれない。

「それ……おれにちょうだい」

そんな願いを抱いて、一松は過去を繰り返す決意を固める。