TLに流れてきた難しい本を朗読しながら…というのがそれ本当にエロスだったので、リポビタンD程度になればという気持ち

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本棚の前でただタイトルを眺めていたら、そう後藤が声を掛けてきた。風呂上がりで前髪を下ろし、無防備に胸筋を晒す姿は原始的で欲望を刺激してくる。自分が後藤の身体そのものに強く欲情すること、そして我を忘れて乱れることに恐怖と同時に期待を抱くことを自覚させられたのもこの肉体によってで、つまり後藤といると自ら意識していた自画像がまやかしだったのではないか、と思わされるのだった。なお、酔ったとき思わず「私ってむっつりスケベってやつなのかしら」とこぼしたら、後藤は困ったとも納得したとも取れるような目をして、「普通なだけだと思うよ」と返してきたものだ。
「ありがとう、でもこれだけあると目移りしてしまって」
しのぶは顔を半分だけ向けて、あっさりと返答している振りで言う。いつも本棚をみているときは、ここに詰められた言葉の一つ、文章の一つが後藤を形作る細胞のように思えて、知的好奇心とは別のところでどきどきとしている。しかしそのことを悟らせるつもりはなかった。
なかったのだが、半分だけ振り向いたしのぶの目になにをみたのか、後藤の目が突然不穏に光った。あれはよからぬいたずらを思いついた時の顔だ。

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いずみのかな @runco_a

「最近新訳が出たから今度こそ理解できるのかなって買ってみたはいいけど、忙しいし疲れてるしで、なかなか読む時間が取れなくて」
そのまま厚みのある文庫をしのぶの手に載せた。大学時代にお世話になった出版社のそれは、新刊特有のまだ開かれていない整った風情だった。
そっと耳に男の顔が寄る。やわらかに息がかかり、首がぞわりとしたところで耳の裏を控えめに舐められて、そのまま直に声が注ぎ込まれた。
「ねえ、そのいい声でさ…」
中身、聞かせてほしいな。
後藤が誘うようにわき腹から尻までを指一本で優しくなぞりながら淫らなゲームを提示してくる。しのぶは一瞬だけ呼吸を止め、そしてゆっくりと顔を男の方に向けると、返事をする代わりに片手で背表紙をしっかり持ちながら空いた手で後藤の頬を自分の方へと引き寄せた。
初めから勝者が決まっているものはゲームとはいわない。それでも乗ってあげるから、その代わりにどこまでも堕としてみて。
強気な振りで乾いた唇にかみつくようにしてキスを奪うと、それが合図となった。

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@runco_a @runco_a 果てたあと、荒々しい息を整えながら後藤が静かに抜け出ていく。海底に横たわっているようにうつろになっている間、慣れた手で後始末を終えた男が、そっとしのぶを抱きかかえた。
「ときどき…」 後藤は顔を埋めるようにしのぶの肌にすがる。「世界に俺とあんたしかいない気がするよ」
しのぶはぼんやりと手を上げ、後藤の髪を、背中を、手のひらでそっとなでる。
「あんただけだ…」
そう言って一層すがる男に、しのぶはとっておきの答えを、あるいは本当のことを告げた。
「そうよ、私たち二人きり、この世界はシンプルなの」
忘れてたわ、と後藤が乳房に顔を埋めながら、そう笑った。

@runco_a 『朗読者』

引用はバタイユ『エロティシズム』(筑摩書房)より

@runco_a 今朝アルゼンチン生き残りと同時に二度寝ったので自分用ポストイット的ラベリング忘れてたのだった

@runco_a @runco_a ビエエエエエエ……
ほらもう、最後にかけての文章がもう素敵すぎてしんどい……

@tokono_ma わーーーありがとうございますー! 最後のまとめ方がどうかなあって思ってたので上手くいってるなら嬉しい…。シンプルに考えて笑う強さを互いに持つとよいよ…