りの🔞 @rino@pawoo.net

学校の下足場の隅っこに、そこそこの大きさの水槽がある。
空気ポンプがつけられたその水槽の中には、いつも橙色の金魚が泳いでいた。

「あの金魚、うちらが入学した時からいるよね？」
「そうだっけ？」

低学年の頃、水槽の中で泡を吐き出す空気ポンプと、その振動音がなんだか気になって、じっと眺めていたことがあった。
水草の中で泳ぐ金魚は、こんなにうるさいのに、夜はちゃんと寝られるのかな、なんて思って。

今日も金魚はまん丸の目のまま、水槽を覗く私の目なんて気にもせずに泳いでいる。

「金魚って、どれくらい生きてるんだっけ？」
「しらなーい。でも、ずっと生きてるなら、けっこー長生きなんじゃない？」

友人の言葉になるほどと頷く。
小学生の私より、金魚は長生きだったのだ。

「こいつの名前、知ってる？」
「名前、あるのかな」

水槽の側面を覗き込むと、あっさりそれは見つかった。

《キンゴロウちゃん、２歳》

「こいつ、別人だったんだ」

私が眺めた金魚は、とっくにいなくなっていた。
水槽の中の金魚は、事実に気づいた私なんて気にもせずに、水草の中を泳いでるのだった。

お風呂に強制的に入れられたあげく髪の毛洗われてざばーってされる攻撃にめっちゃ弱ってる破壊神

せなかだいすき星人なのでクリティカルでした。枕顔うずめて耐えてる感じのやついいよね（語彙不足）>BT

振動バニー服というワードが個人的にとても素晴らしく良いものでした

おかっぱがテーマのはずが文字数が突きたので急遽テーマは花子さんになりました

放課後。
生徒がほとんど帰った後の、静かになった校舎の三階、一番奥の女子トイレ。
窓からふたつ目の個室にノックを三回、トントン、トントントン。

「花子さん、花子さん、遊びましょ」

「ぶっぶー、ノックの回数がまちがってます、もう一回やり直しー」
「パスワードかな？」

「ヒント、あなたが最初に飼ったペットの名前をにゅーりょくしてください」
「花子さん」
「まって花子さんはペットじゃないからね？」

ペットじゃない花子さんが個室から出てきた。

セーラー服におかっぱで童顔、ちっちゃい女の子である。
花子さん、で検索したら、画像の一番上に出そうな花子さんっぷりに小さく拍手。

「え、なにそれ？ それなんの拍手？」
「花子さんっぽさへの賞賛」
「どゆこと？」

花子さんは我が校が誇る七不思議の一つであり、つまりお化けである。
どう見ても普通の女子生徒そのものだけどお化けである。
もし普通の女子生徒だとしたら、うちの学校はけっこー前からセーラー服廃止されて男子も女子もブレザーになってるから、時代の流れに逆らうロックな女子生徒だ。お化けより怖い。

#花子さん

自分で言ってるの強い　鉄板ネタなのかな・・・

部屋に入るとぐにゃっとした感触。
足元を見ると、床の上に掃き捨てられたハイソックスだった。

「女の子なのに脱ぎ散らかしてー」

拾い上げて、一言咎める。
ベッドに寝そべったままなにやらスマホを弄ってる部屋の主は、裸足のまま足をぶらぶらさせつつ「洗濯機に投げといて」とのたまった。

「だらしないなぁ」と追加で苦言を呈しながらハイソックスを手に洗面所に向かう。
向かおうとして、足を止めた。

「もう片方は？」
「あれ？　そのへんに落ちてない？」
「ないよー」
「えー？　ぜったいそのへん脱いでるから。さがしてみ？」

たとえ幾千の苦言を呈しても、ダメな人間はダメなままなのである。
あきらめてハイソックスを求めて部屋の床を見て回ると、ベッドの下から皺のついた布がはみ出ている。

「あー、あった」
「ほらね」

布を引っ張り出して手にとって、伸ばしてみる。

「パンツだこれ」
「きゃーえっちー」

えっちーじゃねーよ。
本格的にベッドの下をまさぐると色々出てきた。

「最近きゅーに暑くなってむしむしするからさー」
「風邪ひくからほどほどにしなよ？」

#ハイソックス

仕事ばっかりで脳が死んじゃいそうなのでひさしぶりに1コメ掌編を書きたいな。書かなくちゃ

久しぶりにネットにさわった感

ふぉぉ・・・大自然と差し込む光と女の子のコラボすばらしいです・・・・＞BT

完

扉を開けるとジャージ姿の先輩が出てきた。

「先輩、自宅だとジャージなんですね」
「てめーなにしにきやがった」
「困ったことがあったら相談しに来いって言ったの先輩じゃないですか」

たぶん宅配業者と思って油断したのだろう。ジャージ姿にひっつめ髪のだらけた姿の先輩は、決まり悪そうにジャージからハミ出した白いシャツをズボンの中に押し込もうとしている。
普段なら悪いことをしたと日を改めるところだが、今日の私にそんな心の余裕はない。

「じゃあお邪魔します」
「いやちょっと待て掃除するから」
「いえいえお構いなく」

リビングのテーブルにはすでに食べかけのお菓子がある。
これ幸いにと、買ってきた酒の缶を二本並べて、酒のつまみをどさーっと置いた。

「フラれました！慰めてください！！」
「お、おぅ」

生返事の先輩をよそに、すぐさま缶のプルタブを引いて、泡立つ缶チューハイを一気に喉に流し込んだ。
ほどよい酩酊感が喉奥を焼いて、脳まで染みるアルコール。ようやく心の余裕が復活した。

「先輩おっぱいでかいですね」
「お前もう帰れ」

このあと滅茶苦茶フラレ話を聞いてもらった。