たくさんの参列者から花びらを振りかけられて、従姉のお姉さんは笑っていた。新郎と一緒に、フラワーシャワーの中を歩いていく。青く澄んだ空の下で舞う白い花びらは、光が降っているように見えた。二人の新しい出発が、そこにいる人達にはもちろん、この世界全部から祝福されているのではないかとすら思えた。私もこんな風にお祝いされたい。いつか、大好きな人と一緒に、花びらの下を歩けるかな。
「ごめんね」
撮影の合間、彼が私に言った。
「式、挙げられなくて」
「それはもう言わないって決めたでしょ」
気持ちは切り替えた。まだ困ったような顔をしている彼に、微笑む。
「次は外で撮りますよー! こちらからどうぞ!」
写真館の方が、中庭に続く扉を指した。
「行こう」
「うん」
彼が扉を開けた。その瞬間、白い何かが空に舞った。
「えっ?!」
扉の外で、大勢の人々が待っていた。
「ほら」
彼に促されて歩きだした私達に、皆が笑顔で花びらを振りかけてくれる。
その様子はやっぱり、空から光が降ってくるみたいに見えた。
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