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黒弓狂王 妄想テスト 

「まだ帰るには時間があるな、…どこかに寄るか」

ああ、こうやってまた。
この男はこんなにも簡単におれの心を掻き乱す。
まるでオレの心も想いも全部全部を見透かしたように、こうやって。
「どこかって」
ちり、と小さく身体の真ん中が小さく痛むのを感じながら問いかけると、また彼は静かに、空気を揺らして柔らかく笑った。笑みを結んだままの唇から煙を吐き出して、オレをまたそっと、けれどじわじわと絡め取っていく。
「何処に行きたい?お前が行きたいところに何処にでも連れて行くぞ」
「…何処にでも?」
一方的な恋心から始まった、この関係は。
どう転んだっていつかはきっと、ただの思い出に変わるのだろう。
オレの中では多分ずっと消えない傷のように心の中で疼き続けるものになっても、彼にとっては大したものになることもなく、消えて行くのだろうか。
いつかなかったことになるのなら、せめて。―――それでも。
「…ホテルに、」
喉の奥から絞り出した声はひどく掠れていて、その音に笑いそうになる。
「行きたいって言ったら、…連れて行ってくれるって?」

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@ngtk911 せ、切ない…既に諦めてる感じが…うう…読ませてもらってありがとうございます(>_<)

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