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いちさに 真名ネタ 

「主、貴女の真名を教えていただきたい。」
ぎゅっと強く私を抱きしめながら、一期はそう囁いた。潰れる程ではない。けど、腕に込められた力は強くて、少し苦しい。それがどうしようもなく愛おしくて、甘えるように擦り寄った。愛する人に甘く名前を呼ばれたなら、どれだけ幸せだろう。けれど、それは叶わない。
「ごめんね。教えてあげられないの。」
「何故……私は、ただ貴女と共にありたいだけなのに。」
子供のようにいやいやをする一期の頬を撫でて、唇にキスをする。ああ、酷いことをしているなぁ、なんて冷静さを保った頭の隅っこが訴える。けれど、仕方ないじゃないか。当の本人が、名前を覚えていないんだから。
いつの間にか主導権は奪われて、一期の舌が唇を割って入り込んでくる。ああ、甘い。痺れるような感覚に手が届く、その瞬間に唇が離された。
「ん……私の名前は、審神者になる時に隠されちゃったから。だから、私もわからないの。」
「この本丸に、ですか?では、もし私が真名を見つけたら……その時は私のものになって下さいますか?」
「いくらでも。」
すでに一期のなんだけどなぁ、なんて無粋なことは言わなかった。

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