@komoridonburi 的な寝息になった。ほんとうなんです。今しがたの酔っ払いの戯言を思い返して、その馬鹿馬鹿しさと可愛いらしさに小さくわらう。その夜、夢を見た。まっくらな深海の底は、黒と言うより藍色で、まるで初夏の夜空の様だった。小さなプランクトンみたいなものがそこかしこで光りながら浮かぶ。その中で鮟鱇を持ったあいつが立っていた。鮟鱇の灯りはほんのりと、けれどやさしく辺りを照らしていて、なるほど、確かにこれは最後の希望かもしれないと夢現にぼんやり思ったのを覚えている。
鮟鱇に灯るあかりがこの星の最後の希望です ほんとうです (筒井宏之 / 佐賀新聞読者文芸欄 )