ずる / #同題ffTB
普段驚く程がさつな男がふと顔を上げて咲き始めの花を見つけたのだと言う。かすかに花の香りがしたたのだとわらう、その様を思い浮かべる。「あれは、狡いですよ」そう言ってBBJはズルズルと崩れ落ちる。面白がって少し飲ませ過ぎた様だ。ギャップ萌えと言うやつか。思ったけれど口には出さずに「まあ、オリエンタルのやつらは多かれ少なかれ、そういうところはあるな」などと適当な相槌をうつ。思い浮かべるのは薄紅のちいさな花びらが散る様だ。あの儚い香を街中で見出すのは、なかなかの才能であると思う。