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揚げたてのドーナツならここだ!と、雪の散らつくクソ寒い中を得意満面な顔で引っ張ってこられたのは半地下の古ぼけた喫茶店だ。扉をくぐるとカウンターの中にはちょっと可愛い格好した年嵩のマスターらしき男性がいらっしゃいませと軽く会釈をする。マスター、ドーナツと珈琲二つずつ!そう頼んで出てきたドーナツは至ってシンプルなものだった。熱々のドーナツにかぶりつけば、さくりと音がして口のなかにほろりとほどけてゆく。立ち上る珈琲の香しいかおり。どうだうまいだろうとわらう男に素直に頷く。ふと、先日失くした手袋の事を思い出した。よくよく見たメニューの欄には、小さく「効能」と言う文字がある。曰く、「あなたのたいせつな失せ物が見つかります」何か見つかったか?と、あなたがふしぎな笑顔でわらう。

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