あ、こっちにも流そー!
えっと、猫の日の遅刻イラストです。
カラー大分描いてなかったからねぇ…しかも厚塗りもどきで。
しんどいけど楽しかった😊
#猫の日
#優しくできない https://pawoo.net/media/9dVt-HLWi2cxZVkczv4
篝は胴を断ち割られた兵士を見やった。
傷口の具合から、この国の者が好む片刃の刀によるものではない。もっと肉厚の、彼の祖国で使う剣のような。
この兵士は始めに腕を斬られ、返す刃で胴を薙がれたのだろう。相手との腕前の差は歴然だ。
ふと、篝は引っ掛かりを覚えた。この太刀筋を、己はどこかで知っている――。
しかし、篝は記憶の詮索をすぐに止めた。門外漢の彼が同行したのは唯の暇潰しだ。死んだのは雑兵。そこまでの価値はない。
「篝殿、何か?」
傍らの紅拿土に、篝はかぶりを振った。
顔を上げた先で、将軍位を示す漆黒の戦袍が翻った。
獅子と変わらぬ巨躯の猫――都の守護を担う凍華将軍だ。
「魯凡を殺した下手人を必ず突き止めよ!」
六尺を優に超す女将軍に檄を飛ばされ、兵達が身を竦めている。
たかが雑兵の損耗にしては大層な剣幕だ。
「まさか、凍華将軍は配下全員を記憶しておられるのか?」
「そういうお方ですからの」
篝は呆れ半分に尋ねたのだが、紅拿土は誇らしげに頷いた。
路地から栗鼠の娘が転がり出てきた。彼の身体を駆け上がってきた彼女の尻尾は、警戒で更に膨らんでいる。
明らかに厄介事だ。戻った方がいい。
しかし、無名が動く前に同じ路地から小柄な狗の兵士が飛び出した。衣には染みと食べかすがこびり付いている。
「貴様、その娘の仲間か!」
「いや、全く知らん」
「あっさり見捨てた! 見て、あたしはか弱く可憐な子栗鼠。あっちはきったない狗」
逡巡なく答えた無名に、娘が鼻白んだ声を上げる。
「おまえが変なとこばかり逃げ込むからだろうが!」
兵士の手は刀に掛かっている。無名は僅かに重心を後ろに変えた。
娘は気にも留めずに続ける。
「おじさん。あたしを渡すには、あの歩く汚物に近寄らなきゃならないの分かってる?」
「あ、それは厭だな」
「おのれ、馬鹿にしおって!」
思わず口にした言葉に、兵士の自制心は崩れたようだ。一直線に走り寄りながら刀を抜く。下段から振り抜かれた銀光を、無名は半身をずらして躱した。
「抜いたなぁ、そっちだからな!」
(無名の話2)
#獣闘殍話
https://pawoo.net/media/x7ZVj63hx8qCaYl1yx0
城下を縦断する大路は、進むのも難儀するほどの人で溢れていた。
午後の陽が照らす町に、荷を積んだ車の音が響き、馴蛇を追う子らの嬌声や威勢のいい商人たちの掛け声が満ちている。
狗、牛、蜥蜴――雑多な面立ちの人々は何かに急かされているかのように脇目も振らずに行き交っていく。
異国の装いをした無名を気に留めるものなど一人もいない。
(……変わらねえな)
珍しく、無名の胸中を感慨めいたものが沸き上がり、すぐに消えた。
以前都を訪れたとき、彼にはまだ名前が有った。仕える主君も立場も――。
そのときの記憶と今の光景が寸分の違いもなく重なる。
帝が弑され、主が変わっても民の暮らしにまでは大きな影響はないらしい。
白い戦袍を羽織った兵の姿が目立つぐらいか。我が物で練り歩く彼らの周囲だけ、人の波が二つに割れる。
無名は兵たちから目を外し、人ごみを避けて細い路地に入った。
友人が居を構える指物町はまだ遠い。
(無名の話1)
最近の流行りのジャケットの第二ボタンだけ閉めてるってアレいまいち好みじゃなくてジャケット閉めてるキャラみんな第三だけ開けてる旧型にしたんだけど悩むな…でもなんか第二だけ閉めてるあれってちょっとだらしなく見えて好きじゃないんだよなぁ~。
超低浮上。基本はTwitterです。
創作BLアカ。学園もの(サッカー/バンド要素多め)を書いたり描いたり。本編はpixivにて。
本編⇒https://www.pixiv.net/member.php?id=2524040
Twitter⇒https://twitter.com/kisa_g11