ケンタシノリ is a user on pawoo.net. You can follow them or interact with them if you have an account anywhere in the fediverse. If you don't, you can sign up here.
Sign up

ケンタシノリ @kenta_konomi@pawoo.net

Pinned Toot

『左利きの次郎兵衛』第2話 宿場町にうごめく闇

◎プロット
★シーン1
 山陽道の途中にある1軒の茶屋。そこからは、戦国時代に山城があった猿掛山を見上げることができる。
 次郎兵衛は、縁台に座りながら木串に刺した団子を食べていた。いつも右手を使うのが苦になる次郎兵衛だが、木串を右手で持つ格好は他の人とそう変わりはない。
 団子を食べながら茶をすする次郎兵衛。そのとき、茶屋のところに人相の悪い男たちが5人入ってきた。
 男たちの目的は、茶屋のご主人への借金の取り立てである。もう少し待ってほしいと懇願するご主人だが、男たちはそんなことを聞く耳を持っていない。
 そして、男たちは借金の証文を盾に茶屋の中で暴れまくった挙げ句に、店番の娘を借金の形として無理やり連れ去ろうとした。この様子に、次郎兵衛は茶屋から出ようとした男たちの前へ出てきた。
 男たちに娘を放せと迫る次郎兵衛に対して、男たちは因縁をつけながら一斉に刀を抜いてきた。これを見た次郎兵衛は、左利きで繰り出した刀で男たちを次々と斬り倒した。

Pinned Toot

pixivにてオリジナル小説「《獣人のこども》おねしょ敬太くんの大ぼうけん」を更新しました!
第6章のスタートは、敬太たちと獣人の赤ちゃんの出会いから始まります!
pawooでは新作の冒頭部分を掲載いたします!

《獣人のこども》おねしょ敬太くんの大ぼうけん 第6章(1)

 普段は静かな山道に、いきなり怒号が鳴り響きました。そこへ現れたのは、図体の大きい獣人たちの一団です。
 5人組でやってきた獣人たちは、いらだちを見せながら誰かを探しているようです。
「おい! あの2人め、どこへ行きやがった」
「あと一歩のところだったのに……。ドジを踏むようなことをしやがって」
「す、すいません……。おれが足手まといになるようなことをしなかったら……」
 獣人たちは山道の周囲をくまなく探していますが、なかなか成果が上げることができません。獣人の1人は、あまりのいらだちに地面を蹴り上げるしぐさを見せています。

続きが見たい方はこちらをチェック!
pixiv.net/novel/show.php?id=90

『左利きの次郎兵衛』第2話 宿場町にうごめく闇(その8-2)

「おやおや、困ったことをしでかしてくれましたね。これじゃあ、わしの面目も立ちませんなあ」
 手配師は柔らかな口調を見せながらも、左腰から刀を鞘から抜いてきた。
「どういうつもりだ」
「簡単に賭場に案内するのを真に受けるとは、愚かなやつだなあ」
 次郎兵衛は不気味な顔つきで近づく手配師に目を凝らすと、一旦後方へ下がって気持ちを落ち着かせようとした。
「林田! 博打が禁じられているにも関わらず、賭博場を仕切るとはどういうことだ」
 次郎兵衛の言う指摘に、林田は黙り込んだままである。これを見て、次郎兵衛はさらに言葉を続けた。
「何も言わないなら、禁を破ってでも平気ということだな。着物を質に入れていることも知っているし……」
 次々と裏の顔が暴かれることに、林田は激高して次郎兵衛に刀で襲いかかった。すかさずかわした次郎兵衛は、林田と手配師の2人を相手に再び刀を構えた。
「こういう汚いことをしている連中は、今から大掃除をきっちりとしないといけないな」

pixivにてオリジナル小説の『左利きの次郎兵衛』第2話(その7)をアップしました。
次郎兵衛の左利きから繰り出す痛快なアクションにご期待ください!

左利きの次郎兵衛 第2話(その7)
pixiv.net/novel/show.php?id=92

『左利きの次郎兵衛』第2話 宿場町にうごめく闇(その8-1)

「貴様みたいな流れ者を始末すれば、板倉様の信任を得て郡奉行に昇格することだって可能になるのさ」
 林田はその場でいきなり刀を振り下ろしたが、次郎兵衛は辛うじて身をかわした。
「林田……。やっぱり、役職を得るために権力に媚びるのか」
「何だと? 権力に取り入ってもらうためには多くの金が必要だ。私品を質に出したのも、全ては郡奉行という役職を得るためだ」
 刀同士がぶつかった次郎兵衛と林田であるが、2人はそこから一歩も身を引くことはなかった。2人の戦いは、その後も一進一退の状態が続いている。
「貴様のことを、なぜ流れ者と呼ぶのか教えてやろうか。それは、左で刀を持っていることさ」
 林田にとって、左利きで刀を持つのは邪道であると考えているようである。しかし、次郎兵衛はどんなに邪道と言われても決して動ずることはない。
 さすがの次郎兵衛も、隙を見せない林田の前でかなりてこずっている様子である。
 そこへ、もう1人の敵が再び障子を開けてやってきた。その男は、森松屋の手配師である。

pixivにてオリジナル小説の『左利きの次郎兵衛』第2話(その7)をアップしました。
次郎兵衛の左利きから繰り出す痛快なアクションにご期待ください!

左利きの次郎兵衛 第2話(その7)
pixiv.net/novel/show.php?id=92

『左利きの次郎兵衛』第2話 宿場町にうごめく闇(その7-5)

「借金取りもいなくなったことだし、この借用書はもう関係ないな」
 次郎兵衛は、借用書をろうそくへ近づけようとしている。これを見た林田は、いきなり次郎兵衛の目の前で刀を振り下ろした。
 すぐ身をかわした次郎兵衛であるが、林田の行動には首を傾げざるを得なかった。
「林田よ、この借用書とは全く関係ないはず。それなら、いきなりわしを襲ったのはどういう理由なのか?」
 次郎兵衛が発したその言葉に、林田は一切口を開こうとはしなかった。その姿勢に、次郎兵衛は林田への疑念を深めることになった。
「井左衛門一家の件も、無理心中に見せかけて縄で絞め殺したんじゃないだろうな」
「黙れ! 代官の前で嘘八百しゃべりやがって! ただで済むとは思うなよ……」
 林田は、自分を疑いの目で見る次郎兵衛に刀を突きつけた。その姿は、次郎兵衛に対する怒りで満ちている。

『左利きの次郎兵衛』第2話 宿場町にうごめく闇(その7-4)

 次郎兵衛はすかさず身をかわしたが、後方からは高利貸しの連中が2人がかりで襲いかかってきた。
「しぶとい連中だなあ。だが、おまえらの狙いなど、わしはすでにお見通しだ!」
 次郎兵衛は、振り向きざまに後方の2人をバッサリと斬った。しかし、ここで一息つく暇はない。
「次郎兵衛! そっちばかり木を取られてもらっちゃ困るぜ!」
 昭吉は次郎兵衛を始末する好機と見るや、すぐさま後ろから刀を振り下ろした。これに気づいた次郎兵衛は、よろけながらも間一髪でかわすことができた。
 昭吉の攻勢はその後も続くが、次郎兵衛はその度に自らの刀で食い止めている。
「んぐぐぐぐっ……。次郎兵衛め……」
「それはこっちのセリフだ!」
 次郎兵衛は相手のわずかな隙を見つけると、素早い動きで横から斬った。そして、続けざまに斬りまくると、昭吉は仰向けに倒れ込むように息絶えてしまった。
 次郎兵衛は、昭吉の着物から亀蔵が肩代わりする旨の借用書を見つけた。

『左利きの次郎兵衛』第2話 宿場町にうごめく闇(その7-3)

「殺せ! 殺せ! こいつをさっさと殺せ!」
 昭吉の号令に、連中が次々と次郎兵衛に向かって刀を振り下ろした。そんな状況でも、次郎兵衛は左利きの刀さばきで相手をばっさりと斬り倒している。
 牙をむくように襲いかかる森松屋の連中だが、次郎兵衛の前ではなかなか歯が立たない。
「くそっ! おれたちの仲間を……」
「裏で博打や高利貸しをやっておいて、よくそんなことが言えるな」
 次郎兵衛は、後方から刀を振り下ろす敵にも振り向きざまに斬っていった。賭博場には、斬り倒された何人もの屍が床に転がっている。
「さあ、今のうちにここから逃げて!」
「次郎兵衛さんは?」
「わしは大丈夫だ。この者どもをさっさと大掃除しないといけないからな」
 亀蔵とおつる、そして常連客は次郎兵衛の言う通りに賭博場から逃げ出して行った。
「貴様! よくもわしに泥を塗るようなことをしやがって……」
 林田のいら立ちが頂点に達すると、昭吉は怒りに任せながら次郎兵衛に襲いかかった。

ixivにてオリジナル小説の『左利きの次郎兵衛』第2話(その6)をアップしました。
次郎兵衛の左利きから繰り出す痛快なアクションにご期待ください!

左利きの次郎兵衛 第2話(その6)
pixiv.net/novel/show.php?id=92

『左利きの次郎兵衛』第2話 宿場町にうごめく闇(その7-2)

「次郎兵衛よ! わしらにこれ以上歯向かうのなら、この2人の命はないぞ!」
 林田の脅し言葉に、次郎兵衛は歯を食いしばりながら怒りを必死にこらえている。
 一方、昭吉は自ら抜いた刀を亀蔵の首筋に近づけた。死と隣り合わせの状況に、亀蔵の顔は震えたままである。
「おう、どうした! 次郎兵衛め、もうおじけついたのか……」
 そのとき、次郎兵衛は自らの三度笠を昭吉に向かって投げつけた。突然のことに、昭吉は刀を持ったままで思わずのけってしまった。
 その間に、次郎兵衛は亀蔵とお弦を縛っていた縄を刀でそれぞれ斬り解いた。
「亀蔵! おつる! 大丈夫か」
「次郎兵衛さん……」
「2人とも、あまりここから動かないほうがいいぞ」
 次郎兵衛は、亀蔵たちを守りながら賭博場にいる悪い連中と対峙している。
「森松屋の裏の顔がばれたからには、この場で始末しないといけないなあ」
 林田のひと声に、博徒や高利貸しの連中が一斉に刀を抜いてきた。それは、目の前にいる獲物を狙うかのような雰囲気である。

pixivにてオリジナル小説「《獣人のこども》おねしょ敬太くんの大ぼうけん」をアップしました! 今回は、稲刈りやイモ掘りで敬太くんが一生懸命がんばります!

《獣人のこども》おねしょ敬太くんの大ぼうけん 第6章(6)
pixiv.net/novel/show.php?id=92

pixivにてオリジナル小説の『左利きの次郎兵衛』第2話(その6)をアップしました。
次郎兵衛の左利きから繰り出す痛快なアクションにご期待ください!

左利きの次郎兵衛 第2話(その6)
pixiv.net/novel/show.php?id=92

『左利きの次郎兵衛』第2話 宿場町にうごめく闇(その7-1)

「亀蔵……。おつる……」
「次郎兵衛さん……」
 突然の事態に、次郎兵衛はなかなか声を出すことができない。
 そこへ、外見からも威圧感を持った風貌がはっきりと分かる武士の男が中へ入ってきた。
 その顔を見た瞬間、次郎兵衛は自分に詰め寄ってきた林田という代官の男にそっくりということに気づいた。
「ま、まさか……。代官という立場でありながらこんなことを……」
「そのまさかさ。わしは小田郡奉行配下の代官、林田倫安だ」
 次郎兵衛の前に現れたのは、この賭博場の黒幕である林田である。その姿に、次郎兵衛はいら立ちを隠せない様子である。
「林田……。あの井左衛門一家の件を一家心中による自殺として片づけたそうだが、実際は自殺では無くて他殺では……」
 すると、この言葉に反応した林田が即座に激高した。
「貴様! わしの前でそんな出任せなど言いやがって!」
「代官という立場でありながら、こんな悪い言葉遣いというのはなあ……」
 次郎兵衛の言葉に、林田は体を震わせながら怒りをにじませている。

pixivにてオリジナル小説「《獣人のこども》おねしょ敬太くんの大ぼうけん」をアップしました! 今回は、稲刈りやイモ掘りで敬太くんが一生懸命がんばります!

《獣人のこども》おねしょ敬太くんの大ぼうけん 第6章(6)
pixiv.net/novel/show.php?id=92

pixivにてオリジナル小説の『左利きの次郎兵衛』第2話(その6)をアップしました。
次郎兵衛の左利きから繰り出す痛快なアクションにご期待ください!

左利きの次郎兵衛 第2話(その6)
pixiv.net/novel/show.php?id=92

『左利きの次郎兵衛』第2話 宿場町にうごめく闇(その6-7)

 他の客を尻目に、2回続けて勝った次郎兵衛はあふれるほどのコマ札を手にしようとした。
 すると、博徒連中が次郎兵衛にいきなり因縁をつけてきた。
「おう! 2度も勝ったからと調子に乗りやがって!」
「ちょっと待ってくれよ。いきなりコマ札の上に足を踏むなんて」
 凄んだ顔を見せる博徒たちですが、三度笠をかぶった次郎兵衛は動じる様子を見せることはない。
「そういえば、このサイコロ……。何か変だよねえ……」
「おい、何をするんだ!」
 次郎兵衛は博徒たちの前で2個のサイコロを噛むと、それを右手に吐き出した。
「よくもまあ、サイコロに細工したイカサマを平気でするとはなあ……。森松屋もこれで大儲けしているんだろうなあ」
 次郎兵衛は、森松屋が博徒を使ってイカサマ行為をおこなっていたことをやんわりと指弾した。
 そのとき、障子を乱暴に開ける音が聞こえると、昭吉たちが亀蔵とおつるを無理やり縄で縛って連れてきた。

pixivにてオリジナル小説「《獣人のこども》おねしょ敬太くんの大ぼうけん」をアップしました! 今回は、稲刈りやイモ掘りで敬太くんが一生懸命がんばります!
pawooでは新作の冒頭部分を掲載いたします!

《獣人のこども》おねしょ敬太くんの大ぼうけん 第6章(6)

 村の田んぼには、稲の穂が一面に広がっています。いよいよ今日は、村人総出での稲刈りを行う日です。
 敬太は、土間にあった稲を刈り取る鎌を右手で持っています。これを見て、盛兵衛はやる気満々の敬太に目を細めています。
 敬太は、これから始まる稲刈りが待ち遠しくてたまりません。
「ねえねえ、早く田んぼに入って稲刈りをしようよ! 早くしようよ!」
「はっはっは! 早くも準備万端だな! でも、あれだけ広い田んぼだから大変だぞ」
「あれくらいのこと、ぼくだったら全然平気だもん!」

続きが見たい方はこちらをチェック!
pixiv.net/novel/show.php?id=92

『左利きの次郎兵衛』第2話 宿場町にうごめく闇(その6-6)

 中盆の言葉に、手配師はそういう内容なのかすぐに察知した。
「もしかして、三度笠の男のことか」
「ああ、おれたちがツボ振りしているのを見られている気が……」
 2人が三度笠の男に警戒するよう確認すると、中盆はツボ振りの隣へ再び戻った。中盆は、賭場で三度笠を唯一かぶっている男をじっと見ている。
 その三度笠をかぶっている次郎兵衛は、次はどこへ賭けるか考えているところである。
 ツボ振りはサイコロの入ったツボを再び振ると、ツボの口を下に伏せた。
 これを見た次郎兵衛は、すぐさま「丁」にコマ札を全て賭けた。
「やっぱり、これもイカサマだったか……」
 次郎兵衛は、博徒ぐるみのイカサマの事実をこの目で確信したようである。
「コマがそろいました。勝負!」
 ツボ振りがツボを上げると、そこにはサイコロの2と4の目が上にあった。
「四二(シニ)の丁!」
 中盆の発した言葉に、賭場にまたもやどよめきが沸いた。なぜなら、「丁」に賭けて勝ったのは次郎兵衛だけである。

『左利きの次郎兵衛』第2話 宿場町にうごめく闇(その6-5)

 ツボの中にサイコロを入れて振るツボ振りの動きを、次郎兵衛は注意深く見ていた。
「さあ、半か丁か」
 ツボ振りはツボの口を下に伏せると、常連客はコマ札を賭けていった。
 他の客が「半」と予想する中、次郎兵衛は「丁」と予想してコマ札を全て賭けた。
「おい、全部賭けるのか……」
「頭おかしいんじゃないの」
 常連客は、全部賭けた次郎兵衛を奇怪な目で見ている。しかし、次郎兵衛はそんなことで気にするそぶりを見せることはない。
 なぜなら、よほどの自信がないとこんな無謀なことなど不可能だからである。
「コマがそろいました。勝負!」
 中盆が声を掛けると、ツボ振りはツボを上げた。
「三五(サンゴ)の丁!」
 ツボ振りの声に、常連客の多くは悔しさをにじませている。一方、予想を的中させた次郎兵衛は大量のコマ札を獲得した。
 そのとき、中盆が出入口の障子を開けると、森松屋の手配師と何やらひそひそと話し始めた。
「賭場のほうはどんな様子だ」
「それが、ちょっと気になることがありまして……」

『左利きの次郎兵衛』第2話 宿場町にうごめく闇(その6-4)

 博打の内容は、いたって単純である。2つのサイコロの数を足して、偶数なら「丁」、奇数なら「半」と答えればいい。二者択一なので、普通に考えて当たる確率は5割となるはずである。
 次郎兵衛は常連客の様子を眺めていると、何度も気になることを目にした。
「ここにいる客が全員負けるなど、普通ならあり得ないはずなのに……。しかも、一度ならず二度までも全員負けるとは……」
 次郎兵衛は、この博打自体に何かきな臭いものを感じ取っている。博徒連中の目的も気になるところである。
 しかし、ここで怪しまれる行動をしたら、賭博場への潜入が水の泡になってしまう。次郎兵衛は、常連客に交じって座ることにした。
 目の前では、中盆の指示に従ってツボ振りがツボに入れたサイコロを振っていた。
「あの2人、何かおかしいぞ。サイコロを振る前に、やたらと耳打ちしているし……」
 次郎兵衛は、サイコロにイカサマでもしているのではと疑っている。なぜなら、別の宿場町でも同じ方法でのイカサマを見たことがあったからである。

『左利きの次郎兵衛』第2話 宿場町にうごめく闇(その6-3)

 次郎兵衛は、手配師に視線を合わせないように建物の奥へ進むことにした。障子の向こう側で博打が行われていることなど、一般の住民は全く知らないだろう。
 しかし、次郎兵衛が耳を澄ますと、男たちの掛け声らしきものが聞こえてきた。
「やはり、ここで博打を行っているのは間違いないようだな」
 次郎兵衛は、目の前の障子をそっと開けることにした。そこには、常連客らしき男たち数人と博徒連中が対面するような形で丁半博打が行われている。
 薄暗い部屋なので、昼間であるのに何本も立てたろうそくの明かりでこんこんと照らされている。
「これが、森松屋の裏の顔か……」
 次郎兵衛が心の中でつぶやいていると、進行係である中盆が何か言い出してきた。
「おう、そこの三度笠よ。初めて見る顔だな」
「そ、そうですかな……」
 ここにいる博打連中は、見るからに鋭い目つきをしているのが分かる。しかし、借金取りの連中と比べるとそんなに人相の悪い人物ではない。
 その間も、常連客が必死の形相でコマ札を賭けていた。