月飼い②スコライ 

ライは水槽に手をかけた。ゆらゆらと揺れる水面。月も歪んで、しかしライの表情は変わらず、窓から吹き込む風が長い髪を揺らした。
窓の外に、水を捨てた。もう月は飼えない。空に、帰してやろう。
「さようなら」
さようなら、別れだ。これは別れ。永遠の、さよならだ。もう会えない。スコッチはもういない。
ライは空っぽの水槽を床に叩き付けた。派手な音。グラスの破片と、水槽の破片が散って、床に散乱する。
ライはスコッチとの別れを、受け入れられないでいた。ライは、スコッチを愛していた。水槽に閉じ込めていた気持ちが、溢れ出して、粉々になって、ライを蝕んでいた。
もうどうしようもなかった。
ああ、朝が白み始めている。月が行ってしまう。ライを置いて、朝が来る。散乱した破片には、月が閉じ込められていた。月はまだ、ライを見捨てていない。
破片のひとつを、拾い上げる。指先にすぅ、と血の筋がひとつ。
フラッシュバック。スコッチの血の色は赤かった。鮮明な赤。脳裏から離れない、鮮やかな色。
スコッチと同じ色だ。ライの顔には、笑みが浮かんでいた。
「すきだ」
月は何も答えてくれない。

月飼い①スコライ 

スコッチがいなくなってどれぐらい経っただろうか。窓際には、依然水槽が佇んでいる。今夜は満月だ。千切れた雲が、空に漂っている。
月の飼い主は、もうどこにもいない。それはどうしようもなく、逃れられない事実だった。
水槽の中に、月が閉じ込められている。ライの心も、水槽の中に漂っていた。
「スコッチ」
グラスの中にはスコッチが注がれている。好んで飲んでいたはずのそれの味が、今は何も感じられない。
「……スコッチ、おれは」
月は何も答えてくれない。月と二人きり。そんな月だってあと数時間もすればいなくなってしまう。ライを置いて、空へと帰ってしまう。
朝がこなければいいと、スコッチと抱き合いながら、情事の余韻が燻る布団の中で呟いた。
「なぁ、何とか言ってくれよ」
カラン、と。グラスが鳴いた。お前はひとりだと嘲笑うように。ライは一人だった。
グラスを床に落とせば、粉々に散る。破片と、スコッチと。どうして、どうして。
何が正解だったんだ。この空白を、誰が、何が埋めてくれるというんだ。
「ぁあ、ぁ」
もうどうしていいかわからない。月は何も答えてくれない。
「どうして」

ジンライ① ジョバイロ 

“冷たく濡れた舌に探りあてられた孤独に慣れた心”

組織では定期的に身体検査が実施される。潜入先で盗聴器やその類を仕掛けられていないかを検査するという名目で行われているが、逆を言えばNOCの炙り出しという意図もここには含まれている。
実施時期は完全にランダムで、今日実施されたからといって明日ないという保証はない。そのため組織のアジトに帰ってくる時はとにかく入念に余計な情報を身にまとっていないかチェックする必要があるのである。
「ライ、こい」

ジンの命令は絶対、コードネームを与えられたばかりの新人に拒否権などない。
ジンの言う通りついていくと、誰も使っていない空き部屋に通される。
「口をあけろ」
言われるがまま、口を開くとジンは赤井の口の中をまじまじと観察し始めた。無遠慮に指をいれてくるものだから、異物感に粘膜が驚いている。
ジンは一通りの目視を終えると、今度はなんの躊躇いもなく唇を重ねてきた。最初こそ驚いたが、これも検査の一環である。奥歯に何か仕込んでいないか、ジンの長い舌がライの中を這い回って巡回する。
「ん……っ、ぁ」
ライが甘く鼻をぬけた声を出すと、

ジン秀学パロ④※R18 

喉奥を圧迫され涙目になる赤井を見かねたジンが腰を引こうとするが赤井はそれを制した。そのまま射精せと、瞳が物語っている。
「しっかり味わえよ、」
ジンはそう言って赤井の喉奥に勢いよく精子を叩きつけた。同時に赤井も下着の中で射精してしまう。ああ、替えの下着なんてもってきていないのにどうしようか。
喉奥を精液で叩かれる感覚というのは一度味わうとつい癖になってしまう。んくんくと飲み干して、ずるんとジンの性器を口から離す。
「今はこれで終いだ」
「ジンは俺の、ほしくないのか?」
「……舐めて欲しいならそう言え」
赤井がズボンをおろせば下着には大きなシミができていた。それを見てジンはフン、と鼻で笑う。
「おもらしみたいだな、それ」
「うるさい!」
赤井は顔を赤く染めつつ、ジンをじとりと見つめる。

ジン秀学パロ③※R18 

「なあジン」
「ん?」
「その……舐めてもいいか?」
赤井は自身が既にゆるく首をもたげるのをはっきりと自覚していた。こんな状態では教室になんて戻れやしない。
「……変態」
「なんとでも言うがいいさ」
ジンはベルトのバックルを外し、ジッパーをおろす。そこから半勃ちの自身を取り出すと、赤井の頬にぺち、とあてる。
「ここまで、挿入るな」
ジンの陰茎は太さは並だが、とにかく長さがある。赤井の喉に届かせるなんて造作もないことである。
「喉奥に射精されて興奮するんだったな、お前」
「覚えていてくれて光栄だ」
ジンは一息でいくことなく、ゆっくりと赤井の口に、陰茎を埋めていく。熱く火照った舌が、ジンの裏筋に触れる。赤井は必死に喉奥を拓いて、何とかしてジンの全てを受け入れようと躍起になっていた。
「っ」
赤井はフェラがうまい。ジンの自身はあっという間に勃起して、先からあふれるカウパーを赤井はちろちろと舐めては嚥下した。
赤井は物欲しそうにジンを見上げる。このまま喉奥に射精してくれ、と言わんばかりに。
「じっとしておけ」
ジンは赤井の後頭部を片手で抑えると、赤井の咽頭に亀頭をあてる。

ジン秀学パロ② 

「キスしよう、ジン」
「いちいち言うな、」
赤井は海外育ちの影響か、普通はおいそれと言わないような所謂“恋情”を含んだ言葉をジンにシャワーのように浴びせかけてくる。今でこそ慣れたがやはり直で浴びると心臓が一瞬、イレギュラーな動きをする。要はどきどきする、というやつだ。それこそこっぱずかしくて口が裂けても言わないが、ジンは赤井のこういうあけすけな所に惹かれているのかもしれない。
赤井の手がジンの頬に伸びてきて、古傷に触れる。これは昔ジンが赤井を庇って事故に巻き込まれた時についた傷だ。骨折したり入院したりとたいへんだったが、運良く後遺症もなく、今ではぴんぴんしている。しかし今でも赤井は負い目を感じているらしく、ことある事にこの頬の傷に触れてくるのだ。
「ん……」
触れ合った唇、お互いの煙草の味。ざらついた舌の感触。
静寂に包まれた校舎は、まるで時が止まったみたいで。
何度も唇を触れされて、舌を絡める。ジンの舌先が赤井の上顎を撫ぜて、赤井がぴくんと震える。
「ぁ、……じん」
「……なんだ」
二人の間を繋ぐ銀糸が、つぅ、と伸びて、ぷつりと途切れた。

ジン秀学パロ① 

「やっぱりここにいた」
授業開始のチャイムはとっくに鳴り終わって、昼休みの騒がしさは身を潜め聞こえるのは電線で合唱する鳥の声ぐらいだ。もちろんこんな時間に屋上にいるのは一部の不良生徒だけである。
「また見つかったら面倒だぞ、ジン」
「俺はいいんだよ、お前の方が見つかったら大騒ぎだろ」
「さぁな、俺に夢見てる教師は多いからな」
二人で煙草をふかしながら、転落防止用の金網に背を預ける。本来屋上は生徒の出入りが禁止され常時施錠されているのだが、赤井が屋上管理の教師を誑かしスペアキーを作ることに成功した。それ以来ここはジンと赤井が落ち合う場所になっているのである。
今日の天気はすこぶる快晴で、千切れた雲が点々と空に浮かんでいるだけだ。煙草の煙が青空に向かって消ジンはえていく。
「お前、そろそろ戻らなくていいのかよ優等生」
「体調不良で休んでいる設定だからな」
「ここは保健室じゃねぇよ」
ジンは呆れた顔で赤井を見るが、赤井は変わらず煙草の煙を吐き出すだけだった。ポケットから携帯灰皿を取り出す。
「ジン」
火を揉み消しながら、赤井はわかっているだろうとばかりにジンを見つめた。

えっどうやったら隠せるのママ……

Pawoo

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