ようりこ吸血鬼パロ①
初めて恋というものを知った。 相手は人間の女の子で、しかも私たち吸血鬼の宿敵であるハンターだった。 出会ったのは森の中。木のてっぺんでお昼寝をしてた時だった。同じような匂いがぐるぐると同じところを回っていて、興味本位で下を覗き込んだ。そこに立っていたのが名前も知らない彼女だった。困った顔で行ったり来たり、迷子かなってすぐに分かって。だけど助けられないなって。だって、吸血鬼とハンターは分かり合えない存在だから。 「まぁ、いっか」 もういっかい寝転がって目を閉じる。だけど、妙にさっきの子が気になった。端的に言うなら可愛いから助けたくなった。 ハンターになる人は大体が吸血鬼に恨みを持つ人。多分あの子も同じような理由だろう。助けに出たところで殺されそうになるなら。やっぱり助けなくていいやって戻ろうとした瞬間、小さな声で「助けて」って。あまりにも綺麗な声だった。全身の血が一気に駆け巡って、ドクドクうるさい。 気がついた時には彼女の目の前に降りていた。 遠くからじゃ可愛いってことしか分からなかったけど、近くで見るとさらに可愛い、綺麗で一瞬で心を奪われた。 「助けてあげようか」
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