東おそネタ? 6(おしまい)
「お前…ッ!!!!!………ッ!」長男に掴みかかろうとした瞬間、ぐわん、と視界が揺れた。「あ、やっとかよー。もーマジびびったよぉ、量少なかったかなぁとか思ったじゃん?ゴリラかっつーの」「おまえ…なに、を…っ…」倒れこみ、身を起こせない次男。ままならない視界のその奥で笑っている長男を睨みつけるも、次第に意識が遠のく。「ただの睡眠薬だよ~、おやすみぃ、カラ松」そのまま気絶するように眠る次男。
「…はー、やーっと終わった」
次男が意識を手放したのを確認してから、おもむろに携帯を取り出す。
「やっぱ1日で5人って、難しいわ。はは」
耳に鳴り響くコール音。プツ、と繋がった音が聞こえた。
「おこんばんわぁ。ミッションクリア、したよぉ」
「で、次はなにすればいい?おじさん」
東おそネタ? 5
二人で酒飲みながら、やっぱ1本の半分じゃ全然足らねーな、と長男。そうだなぁ…と答える次男はどこか上の空なので、気になるなら電話かけてみれば?なんていう。「んー、さっきチョロ松にかけてみたんだがでなかったんだ」「ふーん、ていうかチョロ松、一緒に灯油買いにいってやったのにトド松に消えられるって、よそ見しすぎだよなぁ」と長男が笑う。「コンビニに寄っていたら、いなくなってたらしいぞ。チョロ松がついて行ったからすぐに気づけたが…」「ぶは、てかなんでチョロ松ついていくかねぇ。あいつホント、泣きつかれるのに弱いよな~、単純なやつ」「いいことじゃないか…ブラザーへの愛があるぜ」「それで当の本人には消えられて取り残されるとか、可哀想すぎる」「フゥン、貧乏クジだったな」話してるうちに少しほぐれてくる次男。そこで、ふと、気づいてしまう。思考が詰まる。「…なあ、おそ松」「んあ?」「トド松がチョロ松を灯油買いに…誘ったと、は、言ったが」「…あ」「”泣きついた”こと、言ったか?」目を向けると、ニタリと歯を見せて笑う兄がこちらを見ている。
「…あーあ。お前、さっきの時点で気付いてたのにねぇ。残念」
羽と獣とファンタジーが好きです。二次創作は松を描きます。風ノ旅ビト、ICO、ワンダ、トリコ、Deemoが好き。成人済みです。基本ツイッタです(@ere_nonono)