えろくはないセーラー服着てる燭へし
悪趣味な、そう言った長谷部の秀麗なかんばせは微かに歪められていた。布団に放り投げられた長谷部の身を覆うのは燭台切がインターネットの通信販売で購入した、薄っぺらいセーラー服だった。誉を取った祝いに、と懇願すれば長谷部は呆れた顔をしながらもそれほどの時間を要さずに頷いたので、長谷部くんてもしかしたらぼくのこと割とすきなのかも、と燭台切がおもったのも無理はない。ともかく、長谷部は、紺色のミニスカートから筋肉のついた美しい脚を無防備に晒しながら、燭台切を見上げている。「……何が楽しいんだ貴様は」「ごめんね、ものすごく楽しいよ」そう言うと長谷部は大仰に溜息を吐いた。胸元の赤いリボンの端をそっと摘む。光沢がありよくすべる素材のリボンは燭台切が力を込めるとあっけなくしゅるりと衣摺れの音を立てながら、解けた。ごく、と知らぬ間唾液を飲み込んでしまった。お預けをされたいぬのようで格好がわるい。長谷部は、おおきく動いた燭台切の喉仏を見て、くっ、と笑いを漏らした。「そんなに興奮するか」こんな無様な格好が、と長谷部は揶揄するように言ったので些かむっとして「かわいいよ」と返した。
燭へし好き。女体化も好き。