7/26にお題として【ハート】【ハムスター】【蛸】【レントゲン】【絆創膏】をあたえます。

shindanmaker.com/144287

ハムスター選択
今度はもらった側の闇様

Show thread

「頼みがある」
 と海馬に言われたら、何事かと身構えるのは仕方ないだろう。踵を返さなかっただけましかもしれない。
「……とりあえず内容を聞かせてくれ。そこから受けられるか判断する」
「ハムスターを貰ってほしい」
 そう言って、後ろに置いてあったらしいケージを見せられた。
「ハムスター……? 飼っているのか?」
「違う。取引先の女が無理やり押し付けてきた。まさかあんな人間とは思わなかった」
「……オレに頼まなくても、屋敷で飼ったらいいんじゃないのか?」
「場所はそこでも構わんが、世話を頼む」
 胸にケージを押し付けられ、中のハムスターが身動きしたことが伝わってくる。海馬もだが、こんな奴に渡した女性も大概おかしい。
 こちらが呆れていることに気付かず、海馬は壁の時刻を気にしていた。
「名前は好きにつけていい」
 胸元の圧迫が強まり、仕方なしにケージを受け取った。目の高さまで掲げて、ブルーグレーの毛並みであることを知る。
「頼んだぞ」
 海馬はさっさと出て行ってしまい、オレとハムスターが部屋に残された。ひとまず名前を考えようと思い、ケージをそっと机に置く。しばらくして、種をかじる音がした。

7/25にお題として【貝】【サイ】【靴下】【スプーン】【花】をあたえます。

shindanmaker.com/144287

花選択
ボーイミーツボーイ(知り合い)

Show thread

 出会い頭の事故は常日ごろから気をつけるべきで、あまり徒歩で出歩くことがないからこそ対策をしているはずだった。対策をしていることで油断をしてしまったのかもしれない。
 だがそういう次元の話ではないと断言できる。走ってきたアテムに、花束で殴られたのだ。予測の枠外からの攻撃は、花粉が服を汚すという被害をもたらした。
「……」
「えっあっ、海馬? なんでこんなところに」
「オレがどこに居ようとかまわ……、いや、違う。人を花束で殴るとは、どういう了見だ!」
「殴ったわけじゃないぜ! ただ当たっちまったっていう」
「そもそも花を振り回すな!」
 声を荒らげながら花束を奪い取り見聞するが、随分振り回されたか、ほうぼうに乱れて垂れている。渡すのか貰ったのかは不明だが、この花束が哀れになった。
 返そうと差し出すと、アテムが受け取ろうとしなかった。
「……ん」
 受け取りを促してもその腕は上がらない。
「それ、やるよ」
「なっ」
「じゃあな」
 唐突に走り出して去ったアテムの背が、塀の向こうに消えるのを見送ってしまう。別れ足の事故とでも言ったものだろうか。
 訳を問いたださなければと拳を握った。

7/24にお題として【ベット】【リボン】【街灯】【シーツ】【ギター】をあたえます。

shindanmaker.com/144287

リボン選択
同棲してる海アテ社会人

Show thread

 海馬が仕事で自分は休みのある日、思い立って家中の掃除を敢行した。この家にはお互いが触れていいものしか置いていない。だから海馬の寝室に入るし、タンスの引き出しもクローゼットの扉も開ける。どれも自然と上の方は海馬が使用しているが、今日は全て綺麗にすると決めたので、鍵がかかっていない限りは開けていく。
 掃除機とはたきと雑巾を使い分けながら隅まで攻略していると、ちょうど一抱えできる大きさの、何も書かれていないダンボールを見つけた。ガムテープは貼られていない。
 下ろして蓋を開けると、綺麗に包装された小箱がいくつも入っていた。
「……」
 メッセージカードが無いが、これは海馬からオレへの贈り物だろう。この家に置いてあるということは、その内渡されるのかもしれない。
「くっ……ははは」
 こんなに溜め込んで、何考えているんだかと笑いながら、ピシッと整った角を撫でる。このまましまうのは勿体無い。
 全ての小箱を取り出し、リボンを解いてまた詰めて、ダンボールについたホコリを拭き取って元の位置に戻す。果たしていつ気付くだろうかと、また笑ってしまった。

7/23にお題として【フォーク】【水】【海驢】【シマウマ】【旗】をあたえます。

shindanmaker.com/144287

水選択
びしょぬれ

Show thread

 そこかしこから浴びせられる水、それに喜ぶアテムを横目に、人に水をかけるなと叫ぼうとする己を諌めていた。
 冥界に持ち込んだ機械を改良して使用することで、ヤツの支配する街の上下水道が改善した。流石に各家庭に蛇口を延ばすには至らなかったが、街中にあって飲水がすぐ得られるようにした。排水はすぐ地中に回り、適度に浄めてから川に流している。その結果、川で取れる魚が増えたと聞く。
 これらのことを喜んだ民衆が、祭りの真似事を始めたのだった。そこに、我らの心は民と共にある、などと抜かすアテムや神官が加わり、場は騒がしくなった。
「海馬! 楽しんでるか? って機械は濡れて大丈夫なのか……?」
「防水に決まっているだろうが。でなければここに来ていない」
「そうだな!」
 水音で声が聞きにくいのか、アテムは半ば叫びながら話しかけてくる。足元は水たまりがあちこちにでき、服の裾には泥がはねている。ひどい有様だ。
 水を含んで重たくなった服をさばいて踵を返し、端の方に移動した。振り返ると、まだ民や神官どもと一緒になって、アテムは笑っていた。

ここみたく、500文字くらいのSNSないかなぁ…

7/22にお題として【コーヒー】【糸】【ゴミ箱】【薔薇】【銀】をあたえます。

shindanmaker.com/144287

ゴミ箱選択
自分のものは自分で買う闇様

Show thread

 カードのパッケージを破り、中身を検分してからパッケージを捨てる。何度かその作業をしていたら、ふと視線をやったゴミ箱からパッケージが溢れていた。
「げっ……って、なんでこんなにゴミ箱がいっぱいなんだぜ」
 首を傾げていると、キミが月曜に捨てるのを忘れたからだよ、と間近からツッコミが。
 そうだった、土曜日に買い物をして、その包みやら紙袋を捨ててだいぶ埋まっていたゴミ箱だったのに、うっかりゴミの日に中身を出すのを忘れてしまったのだった。
「次はいつだったっけな」
 木曜日だぜー。
 すぐに答えてくれる相棒に感謝しながら、明日のゴミ捨てのために準備をしようと立ち上がった。幸い手頃な大きめのビニール袋が見つかり、箱をひっくり返して中身を移す。
 え、これきれいな袋だけど、捨てるのかい?
 がさがさやっていたら突然声をかけられた。驚く理由がピンとこなかったが、また買うしいらないけど、相棒が使うんだったらとっとくぜ、と提案してみる。
 いや、いらないぜ、海馬くんに何言われるか……。
 やはりピンとこない話に、首を傾げるしかなかった。

7/21にお題として【光】【レコード】【火】【林檎】【メモ】をあたえます。

shindanmaker.com/144287

光選択
残されたセト様

Show thread

 夕暮れにあえて明かりを灯さず、周囲に誰も近づけるなと衛兵に言い含めて、静かな部屋の真ん中に立っていた。徐々に沈みゆく太陽とともに、空を満たしていた光が去っていく。
 黄、赤、紫と途切れることのない色の移り変わりは、瞬きをするだけでもう姿が変わる。太陽の方を向いた窓から真っ直ぐに陽光がさしていて、眩しいのに周囲がどんどん暗くなっていった。
 遠く地の果てにその輪郭を触れさせた太陽が、溶けるように沈んでいく。消えゆく光のいた場所を埋めるように、見る間に闇が広がって、場を満たしていく。
 遂に燃える光が天から去り、部屋は自分の指先も判別できないくらいになった。
 光を発するものはなし、音を発しているのは自分だけ。目を開けているのか閉じているのかも曖昧になりながら、自分の身体の音を聞く。息を吸って、吐く。拍動が聞こえる。
 余分な力が抜けて、ただ生きているだけの自分になる方法としては、手間やら迷惑やらがかかるが、オレ自身には必要だった。外からではない、内にある光を見つめ直す。
 気が済むまでただ生きて、さて戻ろうと、いつの間にか閉じていたまぶたを上げた。

7/20にお題として【桃】【鯨】【楽譜】【手首】【うなじ】をあたえます。

shindanmaker.com/144287

鯨選択
最近デレが多いなと思いました

Show thread

 大きな身体を持ち、長く潜行できる肉食の鯨でも、息継ぎのために水面まで上がってきて潮を噴く。地上で最も早く走る人間だってずっと走り続けることはできないし、つまり息を抜け、と遊戯が苦情を申し立ててきた。
「休息も休暇も、計画的に取得している」
「その休みの間だって、電話があれば出てるだろう」
「致し方あるまい、部下の仕事が進まんのだから」
「代理人を立てろ」
 聞けば堪忍袋の緒が切れたというが、そこまでの忍耐を強いた覚えはない。
「代理人が判断しきれないとなった時のみ、オレまで連絡が入るようにしているぞ」
「よし、次の休みには電源を落と」
 短絡的思考をまとめずに喋っていると思われるので、手で口を塞ぐ。しかし動き続けている唇が手のひらを擽って、気持ちが悪かった。
 ぱしりと手首を叩かれて解放してやれば、不満を隠さずに睨んでくる。
「そりゃ大きなことをしてるから、仕事が追いかけてくるのもわかるぜ。でも時々は離れるべきだ」
 腕を擦られて、詰めていた息が出ていったのを感じる。僅かだがほっとする時間、これで息を抜いているのだと明かすのはまだ早い気がしていた。

7/19にお題として【メニュー】【カーテン】【月】【文字】【扇子】をあたえます。

shindanmaker.com/144287

扇子選択
電車に乗るアテムと相棒

Show thread

 待ち合わせに遅れそうになり、発車ベルの鳴る中で慌てて飛び乗った車両は運悪く弱冷車で、ゆるい空調の風では汗がひかない。、タオルも持たされていたが、扇子の存在を思い出してかばんを漁る。
 閉じている状態では真っ黒だが、開くと四分の一ほどの大きさの、黒インクで印刷されたチェス盤が艶めいて浮かび上がった。買ったばかりのそれで扇ぎ、気化熱で首筋が冷えていくのに心地よさを覚える。
「扇子の風って気持ちいいね!」
 隣で笑う相棒に向けて風を送り、ありがとうと言われた。二人で出掛けるのにも慣れ、共に遊ぶこともあるが、今日は途中まで同じ方面だったから一緒に電車に乗った。
「時間大丈夫?」
「この電車に乗れてなかったらやばかった」
「ははは、間に合ってよかったぜ!」
「まったくだぜ」
 相棒と自分と、交互に風を送りながら、窓の外に見えた看板や途中の駅など、とりとめのない話に花を咲かせていたら、オレの降りる駅に着いた。
「行ってらっしゃい、かい……彼によろしくね!」
「おう」
 背後で閉まるドアの音を聞いてから、急に恥ずかしくなった。彼って言い方はどうかと思う、と今度伝えようと決めた。

7/18にお題として【シマウマ】【馬】【水】【牙】【トラック】をあたえます。

shindanmaker.com/144287

馬選択
見守る海馬さん

Show thread
Show more
Pawoo

The social network of the future: No ads, no corporate surveillance, ethical design, and decentralization! Own your data with Mastodon!