@Happyhappymasuaoe
ジェロニモ(天草)さんと、みずほちゃんと、青江の話かなぁ

「……見くびられたものだねぇ」

青江の言葉はひどく落ち着いており、そうであるからこそ、どこまでも冷ややかだった。冷えきった声色は、研ぎ澄まされた刃のように、恐ろしくも美しい煌めきを宿していた。

その煌めきに潜むのは、にっかり青江なる刀の、最も危険な戦闘欲。戦を欲し、血を欲し、嗅ぎ慣れた匂いを貪欲に求める獣欲。

けれど決して、野獣のそれではない。磨きあげられたが故に形成された上品な欲望は、官能的な色香をより鮮やかなものにさせていく。

「それほど僕は……か弱く見えていたのかい？」

冷ややか声色はそのままに、青江は傍らにいたみずほに問い掛けた。どこか余裕ありげに振る舞いながらも、彼の端正な顔は、人形を思い出させるほどに無機質で強張っている。

その表情が何を意味するのか、分からないほどみずほは愚かではない。

刀工を同じとする実兄の、片隅に隠れていた逆鱗に、自分は知らず知らず触れていたのだと理解した。

#pawoo_one_work #にっかり青江

「――傷を負っているようだから」

みずほは棒のように立ったまま答えた。満月のように清らかな瞳が僅かに淀み、朽ち果てるように濁っていく。

「守ろうと行動するのは、当然だと私は思うのだけれど」

「ありがた迷惑だねぇ。……大きなお節介って事だよ」

青江はみずほの言葉を遮り、言い返すように答えた。その強い力を宿した言葉は、普段の彼からは想像も出来ない。であるからこそ今の青江が危険な状態であると、みずほは即座に判断する。これ以上刺激するのは、事態を悪化させるだけ。

抗いようのない闇の中で、滑稽なほど躍り狂うのと同じ。

「君は自分の心配だけしていれば良い」

みずほの示した慈悲を容赦なく斬り捨て、青江は言う。お前の優しさなど、今は不要だと言っているようにすら聞こえ、みずほは苦笑する。
まさかこの場で、彼を兄として認識するとは思っていなかった。

その偶然から生まれた認識を、心の何処かで喜ぶ自分がいる事に、みずほは気付いている。だからこそ彼女は、子供のように素直な表情を浮かべ、答えた。

「後は頼むよ、兄上」

#pawoo_one_work #にっかり青江

打刀は脇差刀を本能的に庇い、脇差刀は打刀を本能的に守るとか。
兄のにっかり(脇差刀)は、妹のみずほ(打刀)に庇われたら面白くないだろうなって!!
普段は兄貴面しないくせに、そうされた時は面白くなさげに兄貴っぽい事していたらなって‼

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私好みなみずほちゃんできた…… https://pawoo.net/media/wuuUp6GtvpYgDQsi84A https://pawoo.net/media/plcjAkyWnDqIruoA_iI

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にっかりの妹……あばばば

「驚いたねぇ」
　
そう言いながらも、青江は驚く素振りを見せなかった。落ち着いた物腰はいつもと変わらず、どこか余裕めいた雰囲気を醸し出している。如何なる状況であろうと、彼は内に秘める本心を剥き出しにはしない。それは今も例外ではなく、彼は艶かしい笑みたたえたまま話を続けた。

「まさかこの僕に、こんな可愛らしい妹がいるなんて。驚きのあまり立ってしまったよ…………鳥肌の事だよ？」

青江はそう言って、美しく滑らかな腕を晒す。その仕草はひどく甘やかな色気を宿しながら、どこか妖しげな香りも孕んでいた。妖艶とした瞳が仄かに煌めき、目の前の刀剣を射るように見る。光の奥底に潜む何かが、その場の空気をゆるやかに変えていく。まるでそれが必然であったかのように、すんなりと別の色彩へと生まれ変わらせた。

実の妹と対峙しようとも、決して変わらない。それがまた青江らしいともいえば、青江らしかった。だからといって、それが相応しい対応とは言えない。見方によっては、無礼とも受け取れるから。けれどそれを、優しく受け入れる者もいる。

それが、妹のみずほなのだ。

#にっかり青江

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みずほちゃんの原作も書いていかねばな