鶴秋について
鶴秋のテーマとして
「愛されなかった女の子が愛を知る話」
というものがあります。というか、最初にこの子の設定を考えたのはここからでした。
しかし本質は秋穂は決して愛されなかった訳ではないのです。母からも父からも見えない形ではありますが、確かに愛されていました。だけど、本来いるべき自分の場所に、自分から嫌悪を抱いてしまった結果『私は愛されてないんだ』と思ってしまった。ただの、子供の反抗期なのです。『誰も私を分かってくれない』と駄々をこねている子供が秋穂の心に住んでいたのでしょう。ただ、そこに、愛されていると確実にわかることの出来た秋穂の父親を自分の手で殺してしまったことで、それがトラウマとして深く根付いてしまったのです。その為に『自分が人を愛してはいけない』という概念が生まれ、更に拗れてしまった。
その拗れた秋穂を鶴丸が真っ正面から純粋に『好き』と伝えることで、廃れた愛情の概念が変わっていき、そして再び人を愛せるようになる。
そんな二人の物語なのです。