雪はまだはやいよ
「雪!です!ロベルト!」
「この辺り、まだそんな季節じゃ……ああ、あれか。山の上から風に飛んできているってやつ」
「なるほど、言われればダイヤモンドダストに近いのでしょうか……ちらちらと、綺麗ですねぇ」
「変わった気色ではあるが……そう考えたらなんだか寒くなってきた。たしかに風が強いよ……平賀、早く居所に帰ろう。そろそろ夕の祈りの時間だ」
「はぁ、もう少しこの美しい風景をですね」
「風邪を引いたら調査に支障が出るぞ。ほら」
「子どものように手を引こうとしてもその手にはのりません」
「のりませんじゃないよ!?平賀!あっ」
☆☆☆
神父さまがたすごいたのしそー
すごい、元気ねぇ、てっぺん雪にはしゃいでるのかしら
ほうおうさまの所からいらした人たちだよねー?
あっ、黒髪の神父さまがつかまった!
え!?にげた!!
すごーい!ねこちゃんみたい!
すごーい!!
☆☆☆
偉い人たち、毎度ちみっこたちに見られている
へいわなよでありますように
@akasens
平賀は宇宙にいる。比喩だ。厳密には調査の資料を読み漁っており、思考が宇宙のように広く、重力もなく、静謐で、闇と星の瞬きに支配された遠いところへ……ダイブしている。
ロベルトの作ったホットサンドも今回はコールドサンドになりそうで、たまにはと淹れたリョクチャも美しい新緑色が枯れそうであった。
ロベルトの方は現在できることはない。明日以降のフィールドワークで解読した古文書と現地の状態を照らし合わせる予定だ。
何時ものように、ぶつぶつと口のなかで呟いて、紙になにかを神経質に書き起こして、平賀はまだまだ帰って来そうにない。
「君の視界に入りたいなぁ」
思わず時間をもて余したロベルトが口にすると、意外なことに平賀が「えっ?」と顔を上げる。
「えっ?!」
ロベルトの方が瞠目して。
珍しいこともあるものだと、ロベルトは破顔して休憩をすすめた。
無言フォロー失礼します
バチ官のロベ平が好きです
自重しない妄想が暴走